固定資産税・都市計画税の精算方法と注意点

あなたの不動産の売却が決まって買主に引渡しをする時、あなたの不動産の固定資産税と都市計画税は買主にどのように引き継がれるのでしょうか。

いつ買主は精算してくれるのでしょうか。

どのような精算方法があるのでしょうか。

損をすることはないのでしょうか。

ここでは不動産の固定資産税・都市計画税の精算方法と注意すべきことにお伝えします。

 

固定資産税・都市計画税の精算

固定資産税・都市計画税はその年の1月1日時点の不動産の所有者に対して課税されます。

固定資産税・都市計画税について知りたい方は、「固定資産税・都市計画税とは?を参照してください。

あなたが平成27年12月16日に不動産売買契約を行ったとしましょう。

売れてホッとしていることでしょう。

しかし、売買契約=買主のものではありません。

あくまでも、引渡日=買主のもの(=所有権移転)となります。

もし、この不動産売買契約における不動産引渡日が平成28年5月31日に設定されているとしましょう。

つまり、あなたは平成28年5月30日までしか住むことができません。

恐らく、引越しはもっと早いだろうし、もう既に引越ししているかもしれません。

それでも、平成28年度の固定資産税・都市計画税は役所からあなたの元にきます。住んでいなくともです。

なぜなら、固定資産税・都市計画税はその年の1月1日時点の不動産の所有者に対して課税されるからです。

そのため、買主より5月31日以降の分をもらわなくてはいけません。

不動産業界ではこれを一般的に固都税(ことぜい)の精算(清算)と言います。

一般的に不動産の慣行では、精算日の起算日を1月1日もしくは4月1日として、売主・買主のそれぞれの負担額を納税通知書の年税額を日割りで按分して精算します。

ややこしいが簡単に言いますと、平成28年度の固定資産税・都市計画税の期間を、関東の慣行では平成28年1月1日〜平成28年12月31日の期間で計算し、関西の慣行では平成28年4月1日〜平成29年3月31日の期間で計算するということになります。

なぜ違うかは、その地域の慣行としか言うことができませんが、日本全国その土地によって違ったりします。

そのためそれぞれの地域の慣行に沿って精算しますが、だいたい1月1日起算か4月1日起算で計算することが多いです。

実際に計算してみましょう。

(例)5月31日付で引き渡し、固定資産税・都市計画税の前年度の年税額が10万円の時

ただし、小数点第一位を四捨五入するものとする。

1月1日を起算日とした場合(関東)の計算

売主の負担…1月1日〜5月30日=150日→10万円×150日/365日=41,096円

買主の負担…5月31日〜12月31日=215日→10万円×215日/365日=58,904円

4月1日を起算日とした場合(関西)の計算

売主の負担…4月1日〜5月30日=60日→10万円×60日/365日=16,438円

買主の負担…5月31日〜3月31日=305日→10万円×305日/365日=83,562円

※通常の年はこれで良いが、平成28年度はうるう年のため、366日になることに注意。ここでは1年=365日で計算することにする。

これを見ると関西の売主の方がお得に見えるが、1月1日〜3月31日までの分も売主が払っているため、金額で言うと全く関東と変わりません。

単純に起算日をいつに設定するかの違いだけになります。

納税通知書は、通常5月頃にその年の1月1日の所有者である売主に送られてくるため、1月〜5月頃の残金(引き渡し)においては

  1. 納税通知書が届くまで精算を延期する
  2. 前年度の税額をもとに仮精算して納税通知書が届いた時に再精算する
  3. 前年度の税額をもとにして精算して再精算しない

という3つの方法があるので、その方法で精算するのか売主・買主間で予め取り決めておきます。

この「前年度の税額をもとに精算して再精算しない」を選択する場合、3年に一度の固定資産税評価額の評価替えに当たる年や税制改正による税率・軽減の特例の内容が変更された年は、前年度の税額と大きく異なるので特に注意が必要となります。

築3年か築5年の戸建や築5年か築7年のマンションを売却すると、次の年に固定資産税が上がる可能性が高いので、安い固定資産税金額で今年度分まで精算してしまうと、その後役所から送られてくる納税金額は上がっており、納税しなければいけない売主が損をしてしまうということになります。

そういう場合は1か2を選んでおき、実際の納税金額で買主との間で再精算すべきでしょう。

3年に一度の固定資産税評価額の評価替えについて、詳しくは「固定資産税・都市計画税とは?」を参照してほしい。

6月頃〜12月までの引渡しの場合は、実際にその年の納税通知書をもとに精算するので、上記のような心配をすることはありません。

固定資産税・都市計画税の精算で損することないように注意しましょう。

 

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